2012年7月5日木曜日

Paul Smith (ポール・スミス)


ポール・スミス。

おそらくその名を聞いたことが無い人はいないのではないでしょうか。
特に日本では、ポール・スミスというブランドは広く知れ渡っています。

マンチェスター・ユナイテッドと公式スーツで提携


ポール・スミスは、1946年イギリスのノッティンガムで生まれました。

彼は幼い頃はファッションには微塵も興味がなかったようで、少年時代の夢は自転車レーサー。それも15歳の時に学校を辞め、プロとして生きていく決心すらしていました。

ところが、不慮の事故により17歳の時にレーサーとしての道を絶たれてしまいます。絶望したポール・スミスはパブに入り浸りだったようですが、ここで親しくなったアートスクールの学生と触れ合ううちに、アートに魅せられたことが大きな転機だったようです。

1966年、後に夫人となるポーリーン・デニアと出会います。彼女はロイヤル・カレッジ・オブ・アートでテキスタイルの教師をしていました。

いろいろと運命的なものを感じますね。

1970年にマーガレット・ハウエルやケンゾーを取り扱うセレクトショップをスタート。以降、徐々に自身オリジナルのネクタイやシャツを販売、好評を博し、ポール・スミスというブランドへと繋がってゆきます。

ドリス・ヴァン・ノッテンやアレキサンダー・マックイーンをデビュー時からバックアップするなど、更新の育成にも熱心なデザイナーです。

そして2000年、それまでの功績を称えられ、エリザベス女王陛下よりナイトの称号を与えられました。現在では”サー・ポール・スミス”ですね。今後も変わらぬ活躍を続けてくれるでしょう。
サー・ポール・スミス


ポール・スミスと言えば、日本では、ポップでお手軽なブランド、というイメージが強いのではないでしょうか。


ポール・スミスは、その親しみやすさとファッション性から、ファッションの入り口と位置づけられることも多く、ポール・スミスから入って、今でもずっとポール・スミスが大好きだという方は多いと思います。特に30代メンズは、そういう人が多いのではないかと感じています。私も、ポール・スミスは大好きなデザイナーであり、大好きなブランドです。

しかし、それと知らずに親しんできたアイテムたちは、おそらくライセンス商品と呼ばれるアイテムで、商品化の権利を持つ日本のメーカーが企画し、本社にお伺いを立て、OKが出たものを日本主導で生産されたものがほとんどだと思います。サー・ポール・スミス本人がデザインに関してどこまで関わっているかも不明です。

この事実を初めて知ったときはショックでした…なんだかポール・スミスが好きだという気持ちを弄ばれ、踏みにじられたような気分になったものです。そもそもライセンス商品とい存在自体を初めて知った、ということもありますが。
ライセンス商品を知った時のショック、皆さんもあると思います。…あるよね?

たしかに、ランウェイを見ると、ショップには無いアイテムばかりだし、ショップにはランウェイでは登場しなかったアイテムがずらっと並んでいたりします。よく似たアイテムでも、ディテールが違っていたりするんですよね。

その違いは、日本と本国イギリスのオンラインショップでのラインナップを比較していただけるとわかりやすいと思います。ヨーロッパで展開されている同ブランドのアイテムは、コレクションラインのものが中心です。
日本 : http://www.paulsmith.co.jp/shop/men
イギリス : http://www.paulsmith.co.uk/shop/paul-smith-men-378/category.html



ポール・スミス本来の魅力が詰まったコレクションラインは、イギリスのテーラー技術に裏打ちされたトラディショナルなスタイルでありながら、ユーモアや遊び心が垣間見られ、ブランドアイコンとなっているストライプや花柄、写真のプリントを取り入れたカラフルで楽しいものが多く見られます。また、機能性・実用性にも優れています。サー・ポール・スミスは、これを「ひねりのあるクラシック」と定義しています。

ポール・スミスが好きなら、一度は本当のポール・スミスに触れてみて欲しいです。ライセンス商品と比較すると高価ですが、やはり品質もデザインも高いクオリティにあり、一流だと感じます。

残念ながら、日本ではポール・スミスのオンリーショップにおいてでさえ、コレクションラインを手に入れることはなかなか難しいようですが、ヨーロッパのオンラインショップから簡単に購入することができますよ。


念のため。
別にライセンス商品がダメで、コレクションラインしか認めないと言っているわけではありません。ライセンス商品にも良い物はあります。なにより、ライセンス商品は先述したようにお手頃な価格で、品質もそこそこです。ややヤンチャ過ぎるイメージは拭えませんが…それでもトータルで、ポール・スミスのライセンス商品は高いレベルにあると思います。いつまでも過去のことで恨み節を口にするような男じゃないんです、私。はっはっは。

こんだけポール・スミスを連呼する私が、どれほどポール・スミスが好きなのかがご理解いただけたかと思います。ともすると軽んじられたり、時には蛇蝎の如く嫌う人さえいる同ブランドですが、もしかするとこれもライセンス商品の功罪なのかも知れません。でもサー・ポール・スミスの遊び心ある服は、着ているととても楽しくなるものです。トラッドではあるが、クラシックに押し込まれた服ではなく、決して陳腐ではありません。

コレクションラインに触れることで、ポール・スミスがより深く理解でき、大好きなポール・スミスがもっと好きになると思います。その上でライセンス商品というオプションを持つことが、ポール・スミスの楽しみ方だと思います。


ポール・スミス2012-13A/W
Paul Smith


最後に。
ポール・スミスのジーンズラインであるRED EAR(レッドイヤー)は、とても良いものです。そんじょそこらのジーンズメーカーやハイブランドのジーンズじゃ太刀打ち出来ないくらいの良質なジーンズが多くあります。その多くが日本製です。アメリカン・ヴィンテージをコンセプトとしていて、ジーンズ以外にも商品を展開しています。ただし、どの商品も数が少ないですね…お値段は安くはないですが、高すぎるということもありません。高品質であるため、人によっては安く感じる方もいるのではないでしょうか。
私はレッドイヤーのジーンズはこれまでに4本購入していますが、すべてがお気に入りです。
サー・ポール・スミスがデザインしたエビアンボトル


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